私立大学の入学金〜学費の平均は?理系と文系の違いはいくら?

今回は「私立大学の入学金や学費の平均額はいくらくらいか?」というテーマをピックアップし、その場合の理系・文系の違いについて詳細に見ていきたいと思います。

私立大学というのは現代でも入試制度改革をはじめ、少子高齢化に伴う「学生かき集め対策」に奔走している現状があり、その背景をもって学費が安くなったとも言われます。

果たしてその情報は本当でしょうか?

今回は私立大学の入学金・学費にスポットを当てる上で、その場合の参考となる入試制度や通学状況などについてもご紹介していきます。

ぜひご参考に!

目次

私立大学はなぜ学費が高いの?

まず、私立大学の学費制度について簡単に見ておきましょう。

私立大学というのは文字通りに「私立(わたくしりつ)」、つまり「個人経営によって成り立っている大学となり、一般企業で言えば民間企業の類と同じになります。

たとえばその学費について言えば、Aさんという学長がその私立大学を設立した場合、Aさんが「学費を引き上げる」と言えば学費は高くなり、「学費を引き下げる」と言えばその学費は安くなります。

つまり、その大学のオーナー(学長)の判断に一任される形で学費や入試制度が決められるため、国からの査定・改善などを受けることもなく、決めたい放題で学費の設定が出来るわけです。

基本的に大学というのは、一般企業と変わりません。つまり、「大学=会社」という見方がそのままなされます。

大学は私立・国立(公立)を問わず主に「学費」によって経営を立たせており、その学費を多く獲得できればできる程、大学の運営(企業の運営)は潤うことになります。

なのでこの点では、「たくさん儲けるために入学金・学費を引き上げている」という形になります。

そして入試制度を拡大している世情については、やはりどうしても少子高齢化によって学生の確保が難しくなってきたため、そのための自衛措置として見られています。

入試の門を広げておき、社会人からでも大学生になれることをアピールしているのも、この「学生かき集め」のための大きな対策になります。

その場合でも学費が高額であれば(入学する学生が増えるため)儲けが大きくなり、学費を主な収入源としている大学にとってはまさに〝命綱〟的な土台になるのです。

私立大学・国立大学にかかる入学金の平均

さて、ここから今回のメインテーマに入っていきましょう。

まず、私立大学・国立大学(公立大学)の入学にかかる入学金(理系・文系別)から見ていきましょう。

私立大学にかかる入学金の平均

理系の場合で、「25万円から26万円」前後

文系の場合で、「23万円から24万円」前後

国立大学(公立大学)にかかる入学金の平均

理系・文系の場合で、「28万円から40万円」前後

このようになります。

国立(公立)大学の場合は理系・文系が同じ入学金になることが多く、私立大学の場合は入学金は理系・文系ではっきり分かれてきます

理系のほうがどの場合でもやや高い理由は、主に施設環境費(設備費)を含めているためで、さらに講義で使用するIT関連機器にかかる(大学持ちの)費用への穴埋めをする背景にもよります。

入学金というのはもちろん授業料とは別に支払わなければならないため、この金額に授業料が上乗せされる形になり、この「入学金」と「授業料」を合わせたものが学費となります。

私立大学の学費の平均

さて今回のもう1つのメインテーマです。

私立大学の学費の平均額は一般的に「国立大学よりも遥かに高い」と言われます。

それはその通りで、その理由は先述しましたように「私立大学の経営母体が民間企業によるもの」であるためで、その大学方針は基本的に受験者の事情に配慮される必要はなく(国立の場合とは違い)、大学方針がそのまま採用される事によります。

私立大学の学費は、各大学によって違います(これも大学方針によります)。

なので私立大学を目指す場合には、まずその大学のホームページを参照しておき、その入学の際にかかる実際の入学金・授業料(学費)を調べておくことが大切になるでしょう。

それでは、有名私立をメインにピックアップする上で、その学費の平均額を見ていきましょう。

慶応義塾大学

文系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「860,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「1,660,000」(1年分)

早稲田大学

文系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「1,009,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「1,446,000」(1年分)

上智大学

文系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「768,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「1,098,000」(1年分)

同志社大学

文系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「839,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「1,184,000」(1年分)

立教大学

文系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「792,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「1,085,000」(1年分)

明治大学

文系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「821,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「1,174,000」(1年分)

青山学院大学

文系の場合で、入学金が「160,000」、授業料が「813,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「160,000」、授業料が「1,161,000」(1年分)

立命館大学

文系の場合で、入学金が「300,000」、授業料が「964,200」(1年分)

理系の場合で、入学金が「300,000」、授業料が「2,097,600」(1年分)

法政大学

文系の場合で、入学金が「240,000」、授業料が「812,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「300,000」、授業料が「1,144,000」(1年分)

学習院大学

文系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「770,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「200,000」、授業料が「1,084,000」(1年分)

北海学園大学(国立)

文系の場合で、入学金が「100,000」、授業料が「448,000」(1年分)

理系の場合で、入学金が「300,000」、授業料が「1,600,000」(1年分)

こんな感じです(※各授業料については、その大学の各学部・コースにおいての最高額を記載しています)。

参考:
2018年度 私立大学初年度納付金一覧
https://www.keinet.ne.jp/dnj/18/gakuhi/s_gakuhi.pdf

どの大学でも基本的に理系が高く、入学金は文系・理系ともほぼ同じであることがわかるでしょう。

しかし各大学によってその入学金・学費の差異が雲泥の差に見られる事もあり、たとえば私立大学の早稲田大学や立命館大学と国立大学である北海学園大学とでは、その授業料が半額程の違いになっている点が特徴的です。

さらに上記しました授業料はすべて「1年分」の授業料となるため、それぞれに4年間(在籍した年数)を掛け合わせることになるため、大学によっては400万円から500万円前後になる計算になるでしょう。

このように、私立大学の学費というのは各大学によって大きく変わってくるため、事前に希望する大学の学費(入学金・授業料)をしっかり調べておき、また奨学金制度についても詳細に調べ、自分の経済状況に見合った大学を選んでおくことが大切になります。

医学部はさらに高額の授業料

先述では「各私立大学で見られる文系・理系の入学金と授業料」についてご紹介してきましたが、その場合の理系分野で最高峰と称される「医学部」の入学金・授業料について少しご紹介しておきます。

医学部の場合はどの大学でもたいてい高額の学費が設定されており、もしどうしても医学部を目指す場合なら、その学費の内訳や(この場合も)奨学金制度の充実度を下調べしておくことが大切になるでしょう。

慶応義塾大学

医学部の場合の入学金は「200,000」、授業料は「3,040,000」(1年分)

同志社大学

生命医科学の場合の入学金は「200,000」、授業料は「1,184,000」(1年分)

東北医科薬科大学

医学部の場合の入学金は「1,000,000」、授業料は「3,000,000」(1年分)

国際医療福祉大学

医学部の場合の入学金は「1,500,000」、授業料は「1,900,000」(1年分)

北里大学

医学部の場合の入学金は「1,500,000」、授業料は「3,000,000」(1年分)

東海大学

医学部の場合の入学金は「1,000,000」、授業料は「2,148,000」(1年分)

東京医科大学

医学部の場合の入学金は「1,000,000」、授業料は「2,500,000」(1年分)

東京慈恵会医科大学

医学部の場合の入学金は「1,000,000」、授業料は「2,500,000」(1年分)

東京女子医科大学

医学部の場合の入学金は「2,000,000」、授業料は「2,800,000」(1年分)

日本大学

医学部の場合の入学金は「1,000,000」、授業料は「2,500,000」(1年分)

近畿大学(国立大学)

医学部の場合の入学金は「1,000,000」、授業料は「4,100,000」(1年分)

だいたいこんな感じになりますが、医学部と密接な関連を持つ薬学部の場合でも、その授業料はかなり高額になります。

医学部の場合はこんな感じで「バカ高!」の授業料が普通に取られ、さらにこれらがすべて1年分の授業料になりますから、4年行く場合で「1,000万円」前後の学費がかかることになります。

まとめ

 

いかがでしたか?

私立大学と国立大学とではまず学費の差異が大きく見られ、その上で文系・理系のそれぞれの学費についても(各大学での差異は見られますが)微妙かつ大きく違った学費になることがお分かりいただけたでしょうか。

大学の収入は(先述のように)主に学費によるものとなります。なので、学生が入学して来なければ大学運営そのものが成り立たない状況に追い込まれることになり、現在の大学はすべて大学運営・経営のための「学生かき集め政策」に臨んでいます。

しかし、いくら「学生かき集め政策」をしていても学費がバカ高では学生は集まらないため、入試制度そのものの変革を踏まえる上で学費の引き下げが考慮され始めています。

その代表的なものがAO入試、編入試験、社会人入試、奨学金制度、留学制度の充実などで、それぞれの入試項目によって通常の学費を払わなくても「2年分の学費」で済んだり、学費の立替えをしたりして(奨学金制度などの措置)もあり、学生の事情に合わせています。

それでも私立大学は国立大学に比べて遥かに高額の学費となるため、やはり予算を見積もって入学を決め、その後の生活設計を立てていく必要があるでしょう。

医学部・薬学部は全般的に、よほど家庭が裕福な場合、貯金がある場合に入学できる学部になる傾向があります。

なので、それぞれの希望校・希望する学部学科を踏まえ、少しでも円滑に入学し、その後の学生生活を無理なく送っていける算段がまず必要です。

そのためにも、しっかりとした下調べをしましょう。

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